2026年3月3日(火) – 3月24日(火)
11:00~18:30
「南フランスの光と青」
我が国で本格的に油彩画(西洋画)が描かれる様になって、150 年程が経つ。明治10年代になると、絵画を学ぶために渡仏する画家が現れ、黒田清輝の帰国によりフランスは西洋画学習のメッカとなり、今日迄多くの画家がこの地に学びに出掛けた。
野澤好夫は東京藝術大学の大学院を終了して後、政府給費留学生として渡仏した。
それから間も無く、南フランスのプロバンスに居を移して40年近くとなった。プロバンス 地方はパリとは気候風土を異にし、地中海気候の強い陽光と温暖な地である。当初野澤は この気候風土に戸惑い「ここの風景を絵にしようとさえ思わなかった」と述べている。 この強烈な光と青に、恐怖さえ感じたという。しかし次第にこの風土と環境にもなれ、 それからの作品には強い陽光の元に抜ける様な青空と、澄み切った青い海が度々登場し、 今や彼の代名詞ともなった感がある。
淡いピンクのアーモンドの花、緋の絨緞の様なコクリコの原、セザンヌの山サント・ ヴィクトワール、オリーブに糸杉、マルセイユの海の青等は、この地の光を浴び空気を 吸ってきた野澤の体内から生れ出たもので、最早彼はエトランゼではなく、南仏の画家 となったのである。だがそこに至るまでの道程は、容易ではなかったものと想像される。 フランスには明治大正昭和を通じて、まるで聖地巡礼の様に絵を学ぶため多くの人が出掛 けた。ここで成果を得て帰国し画家として活躍した者がいた反面、志を遂げる事無く消え 去った人も少なくないのである。
絵画修行のため渡仏した人達は、美術学校や研究所で学び、フランス各地の美しい景 や歴史ある建造物等を求めて旅をし、作品を制作した。こうした多くの一般的な画家達 と野澤が異なるのは、彼は当初からプロバンスを描くために、この地に来たのではなかっ た事だ。彼はここを描く前に、恐怖さえ抱いたという強い光と青い色彩に対峙し、これ を乗り越える必要があったのだ。気候風土、文化習慣の違いを克服し、彼の体内にこれ が染み込んだ所からが、制作の初まりであったのだ。つまりプロバンスの気候と風土が、 彼に絵を描かせたとも言える。野澤は “光と青” という言葉を繰り返し用いている。 それ程南仏の印象が強く、これを自らのものとして吸収したからこそ、この地を自在に 描ける様になったのである。こうして描出した作品は、決して通り一遍のものとなる訳 はないのである。
今回の作品展で、私達は彼の体内から発せられた“光と青” を目にする事ができるのである。
清水 康友(美術評論家)
| 展覧会 EXHIBITION | 野澤好夫展 画廊企画 |
| 会期 DATE | 2026年3月3日(火) – 3月24日(火) |
| 開館時間 TIME | 11:00~18:30 |
| 出品作家 ARTISTS | 野澤好夫 |
| 会場 LOCATION | ギャラリーコンセプト21 Gallery Concept 21 |
| 住所 ADDRESS | 〒107-0061 東京都港区北青山3-15-16 |
| アクセス ACCESS | 東京メトロ表参道駅A1・B5出口より徒歩5分 |
| URL | https://g-concept21.com/ |
| 備考 OTHERS | [略歴] 1980年 東京芸術大学油絵科卒 大橋賞受賞 1982年 東京芸術大学大学院卒 1987年 フランス政府給費留学生として渡仏。 [受賞歴] 1993年 ル・サロン アーチストフランセ(パリ)銅賞(銅版画) サンテニヤン市 サロン インターナショナル 金賞(銅版画) 1994年 ムクロン市(ベルギー)アートトリエンナール11回展 銀賞 審査員賞(絵画) コクシッド市(ベルギー)サロン インターナショナル 銅賞(銅版画) 1995年 コクシッド市(ベルギー)サロン インターナショナル 銀賞(銅版画) 1996年 ムクロン市(ベルギー)アートトリエンナール12回展 銀賞 アルコソフト賞( 銅 版画) 2003年 バルドール市 サロン インターナショナル 抽象画賞(絵画) 2005年 ル・サロン アーチストフランセ(パリ)銀賞(銅版画) [最近の展覧会] 2013年 エクスポジャパンスッド・領事館後援 CONSUL’ARTマルセイユ市主催 マルセイユ文化都市企画国際展 日本代表 2014年~2024年 ギャラリーコンセプト21(東京港区) 1995年~1999年 モントリオール・ケベック版画協会会員 |








